役員インタビュー
Executive Interviews
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「攻めのガバナンス」を意識し、当社グループの持続的成長に貢献します。
2023年6月に社外取締役に就任して1年が経過しました。
現在、シナネンホールディングスの取締役会は、社内取締役が4名、社外取締役が7名の計11名で構成されています。各取締役が高度な専門性と豊富な知見を有しており、常にオープンで活発な議論が行われるとともに、執行サイドは取締役会の議論や意見を尊重し、経営に活かす努力をしていると評価しています。しかしながら、取締役会の実効性の向上には、継続的な努力が欠かせません。また、今後より一層、取締役会では経営の重要課題を議論する必要があります。モニタリングボードとしてさらに進化するために、取締役会が本来果たすべき役割や監督のあり方、関与すべき事項などを整理するとともに、執行サイドとの緊密なコミュニケーションと情報共有、その前提となる相互信頼関係と取締役会の最適なあり方を真摯に追求するボードカルチャ―が不可欠です。
取締役会の重要な機能の一つが、経営陣の選任と報酬決定に関する監督です。監査等委員会設置会社である当社では、指名・報酬の決定権限を取締役会に残しつつ、後継者育成計画も含めて経営陣の選任や報酬については、社外取締役が多数を占める指名・報酬委員会で議論して取締役会に答申する体制をとっています。特にCEOに関しては、指名・報酬委員会が後継者育成計画を策定し、運用に主体的に関与して後継者候補の選別と育成に十分な時間と資源をかけて計画的に行ってきました。中込社長の就任は、まさにそうした取り組みから生まれたものです。
当社グループのミッションは「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで 地域すべてのお客様の快適な生活に貢献する」というものです。ミッションを実現していくには、自社の強みを再確認し、事業環境の変化にいかに対応し、変革していけるかが求められます。まずは、中込社長の新体制の下でグループ一丸となって考えなければならない課題です。
監査等委員会としては、執行サイドとの信頼関係を前提に、戦略の執行状況、組織の体制・運営状況、人財戦略など、重要な経営事項について事後的モニタリングだけでなく、「攻めのガバナンス」を意識した健全なリスクテイクのための事前警告、監査活動などで認識した経営課題やリスクについてもこれまで以上に積極的に意見具申し、より高度で良質なコーポレート・ガバナンスの確立に努めていきたいと考えています。
私は、公認会計士としてクライアント業務に加えて組織経営に携わってきました。培った経験を踏まえて、会計、監査、内部統制という専門分野に留まらず、経営的な視点を持って当社グループの持続的な成長に貢献していきます。
「現場力」を最大限に発揮し、「稼ぐ力」と経営効率の向上に取り組みます。
2024年6月に取締役CCO(経営企画部・IT戦略部・業務管理部担当)に就任しました。私は、2020年よりシナネンホールディングスの監査部長として内部監査に携わり、国際的な指針に基づいて、リスクマネジメント・コントロール・ガバナンスの各プロセスの有効性の評価を通じて、組織体の価値向上に努めました。コンプライアンスについては、体制が強化されたことを実感する一方で、残念ながら直近2年間は、海外における新規事業や電力事業におけるリスク管理が十分に機能せず、厳しい業績となりました。今般、取締役および事業戦略の執行役として新経営体制の一員となりましたことに、大いに使命感を持ち、「稼ぐ力」の向上、そして収益基盤の再構築を図っていきたいと考えています。
私の役割は、グループの企業価値向上に向けて、取締役社長の経営戦略を補佐し、戦略の具体化、ガバナンスと内部統制の高度化、業務の効率化を図り、グループの機能を最大限に活かすことにあります。当社グループのリスク管理全般に関わり、具体的には、保安、品質、市場リスク、情報セキュリティなどの管理、投資基準の厳格化、コンプライアンスの徹底を担います。また、ITシステムの活用による生産性の向上と業務の効率化も進めます。
経営企画担当取締役として取り組むべき課題は、大きく二つあります。一つは「経営効率」を高めることです。事業会社間の連携の促進、さらには事業再編や管理部門の統合について忌憚なく議論を重ね、社員が最大限に力を発揮できるようにグループ経営の効率化に力を注ぎたいと考えています。
二つ目は、「実行力」を上げることです。前中期経営計画から推進する風土改革の成果で社内の議論は活発化し、社内風土は着実に変化しました。しかしながら、「稼ぐ力」を発揮するためには、さらなる改革が必要です。これまでに認識した課題の解決に向けて「実行」する、すなわち役職の上下や組織などの垣根を取り払い、若い社員を中心に「自ら考え、行動」できるシナネンホールディングスグループに変えていきたいと考えています。
当社グループの優位性の一つは「信義」であり、重要なポイントは「現場力」です。当社グループのミッションである「エネルギーと住まいと暮らしのサービスで 地域すべてのお客様の快適な生活に貢献する」を実現するために、誠実さと信頼を大切にしながら、事業会社の現場が地域のお客様により良いサービスを提供し、本社がサポートする、グループ社員が一丸となって「現場力」を発揮することで、ステークホルダーの皆様から信頼され喜んでいただける経営を実現していきます。
当社グループの企業価値の向上に取り組んでいきます。
2024年6月に、社外取締役に就任しました。私は、これまで幅広い事業領域の事業会社で、企業経営やファイナンスなどに従事してきました。この経験を活かして、シナネンホールディングスグループの事業の改善、資本効率の向上、資本の再配分などにおいて貢献し、当社グループの持続的成長の実現と企業価値の向上に寄与していきます。まずは、事業内容と状況を正確に把握し、選択と集中などで当社グループの強みを磨いていければと考えています。また、株主利益の極大化、1株当たりの価値の向上に向けて、やれることは全てやっていきます。
当社グループは、元来、素晴らしい事業を展開していると思います。近年、業績悪化などもあり、現在は事業構造改革に取り組んでいますが、原点に帰り、やるべきことをしっかりと継続していくことが、一番の成長の近道だと感じています。新経営体制では、外形に捉われず、本質的にどう成長していくのかを、議論・意思決定できる経営体制になっていくことを期待しています。
環境・エネルギー分野の新たなビジネス創出に寄与します。
社会の変化のスピードがますます速くなる中、企業も従来では考えられないスピードで変わっていかなければ、生き残りが難しい時代になっています。当社グループは、比較的、変化の緩やかな業界で事業を展開していますが、脱炭素時代に期待される水素エネルギーや、今後も導入拡大が期待されている再生可能エネルギーなどにも取り組んでおり、新しい試みに挑戦するカルチャーを持つ企業という印象があります。一方で、主力ビジネスは化石燃料に依存したものが多く、カーボンニュートラルの時代を迎え、ビジネスの大転換を迫られているとも考えています。
私は、長らく環境・エネルギー分野のコンサルタントとして活動してきました。この経験を活かして、ビジネス環境も関連制度も大幅に変わりつつある状況を踏まえ、当社グループのこれまでの強みを活かした新たなビジネスの創出などに寄与していきます。また、新経営体制の下、社外からの視点で意見を述べ、本音で議論を行い、当社グループが持続的成長を遂げていけるよう、貢献していきます。
弁護士としての経験を活かし、ガバナンス強化に貢献します。
私は、これまで弁護士として複数の上場企業の社外役員を務め、経営上の法務に関する助言や業務執行全般の監査を行ってきました。この経験を活かして、当社グループが抱える課題に対して、独立した立場から法的知見を踏まえて意見し、ガバナンス強化に貢献していきたいと考えています。
主軸とする既存事業が熟成期・衰退期にある企業にとって、新規事業はより重要です。当社グループは、新規事業の撤退を余儀なくされたこともありますが、挑戦に失敗した場合でも、その原因を特定し、改善することで、次につながる貴重な学びとなるはずです。取締役会では、自由闊達な議論がなされ、各役員が有する知見・経験が十分に活用されることを期待します。加えて、中込社長が掲げる「利は現場にあり」との理念に深く共感し、その実践にも期待します。私たち役員が現場の声にきちんと耳を傾け、現場のスタッフが日々の業務を通じて得た知識・経験を、問題解決や改善提案に活かしていくことが肝要です。そうした取り組みの蓄積が、組織全体の競争力を高め、当社グループの中長期の成長につながると考えています。