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To Our Stakeholders
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シナネンホールディングス株式会社
代表取締役社長 山﨑 正毅
株主・投資家の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
2023年11月13日更新
当社グループは、2027年度の創業100周年に向けて第1四半期連結会計期間から第三次中期経営計画をスタートさせ、「脱炭素社会の実現に貢献する総合エネルギー・ライフクリエイト企業グループへの進化」というビジョン達成に向けて、経営基盤の強化を加速させ、成長戦略を進めています。事業面では、既存事業の収益拡大と脱炭素社会の実現に寄与する新規事業創出の両輪で収益性の向上を図っており、EV(電気自動車)のワイヤレス充電技術を有するWiTricity Corporationと日本市場での販売展開に関する基本合意を6月に締結するなど新たな取り組みを進めてきました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の業績については、原油価格の低下に伴い販売単価が下落したものの、石油類と電力の販売数量増加により、売上高は1,412億13百万円(前年同四半期比1.1%増)となりました。
その一方、利益面は、主に電力事業における売上総利益の悪化が業績に大きく影響しました。当社グループでは、前連結会計年度において、当連結会計年度の仕入価格の高騰リスクに備えた相対電源の確保を行ってきましたが、想定に反して当連結会計年度の卸電力市場価格は低位で推移し、調達電源価格が割高となっておりました。このような状況の中、顧客の離脱などにより調達電源の余剰が発生し、その余剰電源について、卸電力市場価格の影響を受けた「逆ザヤ」での売却を余儀なくされました。また、夏場の需要が想定以上に減少したことにより発生した余剰電力についても、「逆ザヤ」での売却を余儀なくされ、売上総利益が悪化しました。市場連動型プランにおける新たな大口顧客の獲得を中心に販売数量は増加しており、期初から進めている価格改定による小売販売単価の引き上げによる収益改善は順調に進捗しているものの、売上総利益の悪化を補うには至らず、営業損失21億50百万円(前年同四半期は営業損失8億20百万円)、経常損失17億65百万円(前年同四半期は経常損失4億25百万円)となりました。なお、親会社株主に帰属する四半期純損益については、前連結会計年度に計上した固定資産売却益の剥落により、親会社株主に帰属する四半期純損失20億74百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益8億52百万円)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
[エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)]
売上面は、主力の「LPガス・灯油販売」において、平均気温が平年と比較して高くなったことで販売数量が低調に推移し、減収となりました。
利益面は、電力事業の売上総利益の悪化があった一方、主力のLPガス販売において前連結会計年度行った価格改定の寄与を中心に、赤字幅が縮小しました。
なお、第三次中期経営計画で示した顧客数拡大に向けた新たな取り組みとして、CO2排出量を実質ゼロとする「ミライフカーボンニュートラルLPガス」の販売を当第2四半期連結会計期間より開始しました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間におけるエネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の売上高は276億66百万円(前年同四半期比9.0%減)、営業損失は6億88百万円(前年同四半期は営業損失8億36百万円)となりました。
[エネルギーソリューション事業(BtoB事業)]
売上面は、主力の石油事業において、原油価格の下落に伴う販売単価の低下があった一方、電力市場においては市場連動型プランにおける新たな大口顧客の獲得や価格改定による販売単価の引き上げなどにより、増収となりました。
利益面は、前連結会計年度好調だった石油事業の売上総利益が平年並みの水準に落ち着いたことに加え、前述した電力事業における売上総利益の悪化が大きく影響し、赤字幅が拡大しました。
なお、前述したWiTricity Corporationとの基本合意締結に加えて、オフサイトコーポレートPPAによる再生可能エネルギー電力の供給合意など、第三次中期経営計画で示した「電力・再生可能エネルギーなど総合エネルギーサービスへのポートフォリオ転換」に向けた取り組みを進めています。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間におけるエネルギーソリューション事業(BtoB事業)の売上高は1,033億17百万円(前年同四半期比3.4%増)、営業損失は17億90百万円(前年同四半期は営業損失1億69百万円)となりました。
[非エネルギー事業]
非エネルギー事業全体としては、自転車事業が好調に推移したことなどにより、増収増益となりました。
事業別の状況は、次のとおりです。
自転車事業(シナネンサイクル株式会社)は、前連結会計年度後半より実施した価格改定の寄与に加えて、新規法人開拓の推進や大手法人向けコンテナ販売が貢献し、増収増益となりました。
シェアサイクル事業(シナネンモビリティPLUS株式会社)は、シェアサイクルサービス「ダイチャリ」の拠点開発を推進するとともに、埼玉県蕨市など新たな地方自治体との実証実験を開始しました。2023年9月末現在、ステーション数3,300カ所超、設置自転車数11,000台を超える規模まで拡大し、増収増益となりました。また、他社のメンテナンスを担う体制を構築し、HELLO CYCLING全体の運営品質の向上を推進しています。なお、第三次中期経営計画で示した「新たな収益源の創出」として、イベント開催時等に短期的に設置できる新たなプランを9月より開始しました。
環境・リサイクル事業(シナネンエコワーク株式会社)は、新設住宅着工戸数の伸び悩みによる建設系廃材の搬入量減少に加え、新たな環境関連事業の開発に伴う販管費の増加により、減収減益となりました。
抗菌事業(株式会社シナネンゼオミック)は、中国の景気低迷に起因する需要減少の影響があった一方、北米向けの販売が想定以上に推移しており、全体では前年同期並みとなりました。なお、フィンランド発の天然系抗菌剤の独占販売代理契約を締結するなど、新たな取り組みを進めています。
システム事業(株式会社ミノス)は、主力のLPガス基幹業務システムの安定的な貢献などにより、増収増益となりました。また、顧客情報システム(電力CIS)について、市場の変動に応じて価格・サービスを調整する市場連動機能を構築するなど、新たな開発を随時進めています。
建物維持管理事業を手掛けるグループ4社は、2023年10月より、シナネンアクシア株式会社として統合し、総合建物メンテナンス会社として、新たなスタートを切っています。当第2四半期連結累計期間は、集合住宅の建物メンテナンス業務のエリア拡大に加え、斎場・病院など施設運営業務が好調に推移し増収となった一方、統合に伴う販管費の増加などが影響し、減益となりました。なお、第三次中期経営計画で示した「業務エリアのさらなる拡大」に向けて、埼玉エリアにおいて、新たな拠点開設を準備しています。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における非エネルギー事業の売上高は101億15百万円(前年同四半期比8.7%増)、営業利益は5億7百万円(前年同四半期比48.2%増)となりました。
2023年3月期実績 | 2024年3月期修正予想 | 前期比 | ||
---|---|---|---|---|
(額) | (率) | |||
売上高(億円) | 3,422 | 3,800 | +378 | +11.0% |
営業利益(億円) | 8 | △8 | △16 | - |
経常利益(億円) | 12 | △2 | △14 | - |
親会社株主に帰属する 当期純利益(億円) |
4 | △7 | △11 | - |
売上高については、主力の石油類・LPガスの仕入価格に影響を及ぼす原油価格・プロパンCPが上昇基調で推移していることなどを踏まえ、当初の予想を上回る見込みです。
一方、損益面については、主に電力事業における売上総利益が、期初想定を大きく下回ることを見込んでおり、上記のとおり、通期連結業績予想を修正することといたしました。
この点、当社グループでは、前連結会計年度において、当連結会計年度の卸電力市場価格を30円/kwh超と想定し、仕入価格の高騰リスクに備えた相対電源の確保を行ってきましたが、想定に反して当第2四半期連結累計期間の卸電力市場価格(東京・スポット)の月平均値が1kwh当たり12円弱で推移し、調達電源価格が割高となっておりました。
このような状況の中、顧客の離脱などにより調達電源の余剰が発生し、その余剰電源について、卸電力市場価格の影響を受けた「逆ザヤ」での売却を余儀なくされました。また、夏場の需要が想定以上に減少したことにより発生した余剰電力についても、「逆ザヤ」での売却を余儀なくされ、当第2四半期連結累計期間において、売上総利益が期初想定を大きく下回りました。
下期については、回復を見込んで期初より進めている小売価格の改定や市場連動型プランの拡販は想定通り進捗していますが、顧客の離脱と需要の低下による販売見通しの減少を補うには至らず、上期同様、期初想定を下回ることを見込んでおります。
なお、当社は、株主各位に対する利益還元を経営の最重要政策と位置づけ、連結配当性向30%以上を目安に、安定的な配当を基本とした株主還元を実施しています。
今般、当社は業績予想を下方修正することとなりましたが、安定的な配当を基本とする配当方針のもと、2024年3月期の期末配当予想につきましては、本公表時点での修正はございません。
シナネンホールディングス株式会社
代表取締役社長 山﨑 正毅